できるだけ手数料を抑えて売掛金買取をしてもらおうと考える人の中には、複数の業者に見積もりを出してもらおうとする人がいます。最終的に契約する業者を1つに絞るのであれば問題ありませんが、中には同じ債権を複数の業者に買い取ってもらい、後からトラブルになるケースがあります。業者側でもこうしたトラブルを防ぐために債権譲渡登記を行うのですが、債権譲渡登記を行うと司法書士への報酬や印紙でコストが高くなるため、利用者側を信用して債権譲渡登記を保留してくれる場合もあるのです。複数の業者が登記保留だった場合は買い取ってもらっても、実際の支払日までばれることはありません。
問題が発覚するのは本来の入金日で、業者への支払いを行う日です。複数の業者に支払いをしなくてはならなくなるため、支払いができなくなるケースがほとんどで、もし複数の業者に同じ債権を売却していた場合は詐欺として訴えられる危険性があります。仮に支払いができたとしても、2か所に手数料を支払うことになるため、負担も高額になりやすく、お金に困っていたからといっても決して行ってはならない行為です。売掛金買取を複数の業者で見積もってもらうのは問題ありませんが、1つの債権は必ず1つの業者に売却するようにしましょう。
同じ取引先の売掛金でも月が違っていれば別の債権として認められるため、この場合は別の業者で売掛金買取しても問題ありません。ただしこうした取引は回数を重ねると信用ができ、コストも圧縮されるため、同じ業者を繰り返し使ったほうが費用は安く抑えられるようになっていきます。